2008年7月2日  『鼻血…』

      『 朝、雨戸を開ける。

       「おはようさん!今日も暑なりそうやね。」

       応えてケントは、自分の鼻の頭をペロッと舐めた。

       今日は、調子がよさそう。

       また、ペロッと鼻の頭を舐めた。

       また、舐めた。


       「 あっ…! 」


       ケントが座る足元に、小さな血溜まり。

       瞬間、体中の血液が凍り付いてしまった。



       『 えっ、もしかして鼻血? 』


       昨夜の先生の言葉を思い出す。


       「特に、鼻血には、気をつけてくださいね。

        内臓出血、もしくは、腫瘍性出血の可能性がありますから。」



             ドクン、ドクン。


       全身の脈が大きく波打つのを必死に押さえながら、病院に電話。

       「すぐにいらして下さい。」

       かなり時間前にもかかわらず、レントゲン、

       そして、止血剤の注射、点滴…。


       先生に、 神様に、 仏様に、 お願いするしかない。

              『どうぞ、ケントをお助けください。

                        お守りください。』


       私は、まったくもって無力です。

       あふれ出る鼻血をぬぐうしか出来ない。


       夜、病状説明を受ける。

       レントゲンで見る限り、心臓や肺の周りに、

       水は溜まっているものの、出血は認められない。

       止血剤で止まったので、一過性のものではないか。


       うちに戻ってからも、鼻血は出ていない。

       どうぞ、このまま、良くなりますように。 』



赤血球が減少してきたケントの鼻血は、深紅からほど遠い

ピンク色をしていました。

人の子なら、存分に輸血を受ける事も、私の血を半分あげる事もできるのに、

不憫で不憫で、なりませんでした。


画像

                  「ケントくーん。」
                  「ハーイ!」



画像

                 「ケントくーん。」
                 「ママ、ボク、ここだよ!」

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